しょーしきのしょーしつてん

消失点を探そうと思います

9月6日特別企画・黒ロン募金に行ってきた!

 9月6日といえば黒ロンの日ですが、全国各地にで「黒ロン募金」なるものが開催されていたことをご存知でしょうか? これは去る8月25~26日の間に行われていた「おっぱい募金」に対抗する形で企画され、1000円の募金で黒髪ロングに櫛を入れることが許可されるというイベントです。募金されたお金は黒ロンの手入れに悩む全国の女性が加盟する「黒ロン保持会」に寄付され、黒髪ロングを支える資金となるらしいです。私は岩手で行われた募金会場にこっそり忍び込むことが出来たのでレポートしていきたいと思います。なお、会場の様子の撮影は厳禁ということでしたので、文章のみでのレポートとなります。

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 ※写真はイメージです

 会場に到着したのは午後2時頃。会場の所在地については細かくお伝えできないのですが、え、こんな場所でやってたの? 気づかなかった! という場所でした。実際私も話に聞いてなければ見落としていたと思います。時間は午後4時までということで、残り時間もあと少しといったところだったのですが、あまり人が集まっている様子はなく、どうやら私と同じく募金に来たのであろう人の姿が5、6人並んでいたくらいでした。興味のない人や黒ロン募金の存在を知らない人はほとんどが素通りしていったので、その人たちから見たら何の集まりなのか不気味だったかもしれませんね。

 並んでいるのはいかにもインターネットでこの話を聞きましたという感じの見た目20代の男性で、一様に人と目をあわそうとせずにスマートフォンの画面を覗き込んでおりました。これTwitterで今いる場所の名前検索したらこの人たちが誰だか分かるんだろうなということも思いましたがそこまではしませんでした。ちなみに全員が男というわけでもなく、一人だけ女性が列に混じっていました。そんなところに並んでいるんだから黒ロンなのか? と思われる方も多いと思いますがそんなことはなく、黒のボブカットで、時折前髪を触ったりなどしていました。おそらく彼女は未来の黒ロンなのでしょう。

 列に並ぶと、奥からスタッフらしき人が出てきて、身分証明になるものと、手荷物の検査を要求されました。ちなみにこのスタッフは近所の美容師さんなどが有志で協力しているそうです。なお、身分証明は一応のもので、重要なのは手荷物検査の方とのこと。特にハサミやカッターなどの刃物やヘアスプレーなどを持っていないか念入りに確認されました。そりゃそういったものを持ち込まれたらたまったものじゃないでしょう。気持ちも分かります。このときに写真が駄目かどうか聞いたのですが、にべもなく断られました。今後行うにしてもひっそりと行いたいため、あまり情報を出したくないとのことでした。

 列は期待していたほど早く消化されませんでしたが、予想していたよりも遅いということはなくスムーズに進んでいきました。建物の中に案内されると、スタッフが募金箱を持って待機していました。箱には『できれば1000円以上でお願いします』の文字が。貴重な黒ロンに櫛を入れることができるということで、ためらいなく1000円を投入。

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※建物の写真はイメージです

 募金が終わると、消毒用のアルコールが手に吹きかけられました。さらにそれがちゃんと乾くのを待ってから、奥の部屋へと案内されました。奥の部屋は、美容室のような内装になっており、黒ロンの女性が一人椅子に腰掛け本を読んでおりました。万が一に備えてか、男性スタッフも部屋の隅に待機しています。部屋の中にはいい匂いのお香が焚かれており、これが黒ロンについたら色々な相乗効果で大変なことになるのでは!? と思わざるを得ませんでした。

 目の前の幻想的な光景に半ば陶然としていると、黒ロンの女性から「こちらにどうぞ」との声。本を読んでいたものでどうしたらよいのかというところだったのですが、意外と気さくな方でした。案内されるまま女性の横の椅子に座ると、スタッフがひっそりと寄ってきて、「乱さない程度に触っていただいて結構です。櫛を入れることもできますので、こちらを使ってください。痛くしないように気をつけてください」とコームを手渡されました。

 改めて女性の髪を見ると、今まで見たことがある女性の髪の中でも、かなり長い部類に入るように思えました。少なくとも腰より下にくるくらいまであるのではないでしょうか。自分がこの髪に触っていいのか……? という思いが頭をよぎりましたが、いやいやここまで来て何をビビっているのだ、自分はちゃんと募金もしたのだし触っていいはずだ、と自分に言い聞かせ、意を決して髪の中ほどに触れてみます。
 !!
 なんだこれは!
 瞬間、電撃が走ったような感覚に襲われました。こ、これが本物の黒髪ロング! 触れた瞬間になんというか、オーラというか、霊的な部分から違うというか、とにかくこんな感触は生まれて初めてでした。続けて、渡されたコームを手にとって、ゆっくりと髪を溶かさせて頂きました。私自身も結構な癖毛で、髪が絡まることも結構あるのですが、この方の髪の柔らかくて滑らかなこと! 私の中で髪という言葉のパラダイムシフトが起こるのではと思いました。
 髪を梳きながら、女性が普段どんな手入れをしていて、どんな苦労をしているのかを語ってくれました。女性の髪について門外漢である私には分かりづらい話ではありましたが、同じ話を朝から何回もしているはずで、いうなればこの人は本物の黒ロンの「プロ」なのでなあと実感させていただきました。
 結局、部屋の中にいた時間は5分ちょっとといったところでした。とはいえ体感した時間や衝撃はこれまでの人生の中でも有数の物だったといっても過言ではないでしょう。

 帰り際に「来年もあるんですか?」とスタッフの方に尋ねたところ、「今年が好評だったようなので、来年もやりたいですね」と答えてくれた。おお! これは嬉しい! しかしそれに続けて、「本当はこんなことをしなくてもいいくらい黒ロンの地位が守られるような時代になればいいと思うんですが……」と寂しそうな顔でもらしておられました。黒ロンよ、世界に満ちよ! そう願いながら、私は帰路についた――
 
 黒ロン募金に行ってきた! レポート・完

 ※このことを「ブログに書きたい」と相談したところ「あまり注目にされても困るので、日付が変わってから載せてください」といわれたので、9月6日をちょっと超えたこの時間の更新ということになりました。ご了承ください。