しょーしきのしょーしつてん

消失点を探そうと思います

何故ガルパンはいいのかを考えてみる

 

 全国のあちこちでガルパンはいいぞと唱えるだけのガルパンはいいぞおじさんを大量発生させている映画ガールズ&パンツァー劇場版。私も2回も見に行ってしまいました。しかしながら、右も左もガルパンはいいぞ唱えるのが流行してしまいじゃあ具体的にどこがいいのかという話が聞こえてこないため見に行こうかどうかためらってしまっている人も中にはいるのではないかと思います。そんな人のためにどこがいいところなのかを感想とともに挙げていこうかと思います。ただしこの感想は2回目を見た人間のものだということにご注意ください。TV版は二回目を見た後そのままDVDで全話視聴しました。あの最終話がすごく王道の学園青春物って感じでなんというか……最高やな!
 じゃあどこがよかったのかっていう話ですがまずは何といっても音響ですね。戦車の砲撃音、爆発音、走行音等々、劇場で見るからこその迫力が存分に楽しめます。これは今後ソフト化されたとしても味わうことができない点だと思います。これを爆音上映で身に行ける人は非常に羨ましい。仮に戦車に興味ない、ガルパン見たことない、という人でも冒頭の親善試合での戦闘シーンを見れば十分にこの先の100分を退屈することなく見ることができるでしょう。
 それから展開の分かりやすさ、ワンパターンともいえる王道さも評価できる点ですね。ともすれば陳腐な展開とも言えますが、過去に闘った相手が続々応援として駆けつけ数の不利を詰めて、各戦車の個性を生かして各上の相手と互角以上にわたり合い、最後は敵の総大将との決戦、という展開に燃えざるを得ない。何より戦車が魅力的に描かれているおかげで、戦車が絡んで動いているだけで気持ちがいい。
 親善試合が終わって次の試合が始まるまでの、大洗一同が学園艦を下ろされている間の展開が若干中だるみだとか茶番だとかという話もありますが、まあそれに関してはイマイチ反論できないなというところはあります。戦車を一旦避難させてから帰ってくるのが早すぎないか? とか、色々。どうせならもっと学園の外で不満が溜まっていたところで戦車が戻ってきてフラストレーション大解放してくれれば良かったのではとも思いますがそれだと試合が決まったところがイマイはチ盛り上がらなくなるだろうから仕方ないのかな? とか。
 あと、キャラが多くて何が何だか分からん、という声もあるのかもしれませんがそれに関してはあまり心配はいりません。キャラに関してはそれぞれチーム単位で覚えてしまえばどのキャラが何なのかというのをそこまで覚えなくても楽しめるようになっています。もし劇場版を見て面白いと思ったらアニメ版を見るなり公式ホームページを見るなり二次創作を漁るなりすれば十分かと思います。
 劇場版で取り上げられたキャラといえばアンツィオ高校(イタリアモデル)のアンチョビや、継続高校(フィンランドモデル)のミカなどもかなりいいキャラをしています。特に継続高校の活躍は素晴らしいものがあり、大学選抜チームの隠し玉に対し多大な戦果を上げています。継続高校の戦車であるBT-42の戦闘シーンに流れる、フィンランドの伝統楽器カンテラで奏でられるフィンランドの民謡Säkkijärven Polkkaは一度聞けば忘れられなくなること間違いなし。ニコニコ動画では「人生に必要なBGM」とか「自走砲がパーシングをいじめてるときのBGM」とかわけわからんタグをつけられている始末。ガルパンの方もいいけどアコーディオンで演奏されることが多い原曲もいいぞ!
 
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 だらだらと書いてしまいましたが、とにかく戦車のカッコよさがこれでもかと詰まっており、「あ、これ作った奴はオタクだな」とはっきり分かる内容となっています。オタクが自分の好きなことを話すときに饒舌になるように、戦車に関してこれでもかとカッコよく描かれており、一般層にも受けるようにとか、ちょっと教養っぽいところを入れようとか凝ったことをしてみようとかの気取ったところがない直球の映画になっています。とにかく見ていて爽快で気持ちのいいところを徹底的に詰め込まれているので、見終わった後のスッキリ感もひとしおです。はっきり言って120分でも短い。このペースでならあと5時間は行けると思わせてくれます。大好きな食べ物をあっという間に食べ終わってしまい、もっと食べたいなあ、と思わせる魅力があります。

 ガルパンはいいぞ。